nagomの考え

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case 03

設計の進め方【部屋の配置を考える】

部屋の配置を考える

部屋同士の関係性を整えます。

nagomでは【敷地の特徴を読む】【ご要望をすべて聞く】が設計の両輪となっています。この2つを最も活かすことのできる部屋の配置を考えていきます。間取りを考え始めると平面図から描き始めたくなるのですが、それ以上にまずはどの部屋とどの部屋が隣り合うのか、どの部屋が何階にあった方が良いのかということを大切にしています。これをゾーニングと言います。

 

リビングゾーンはここにあるべきだよね!
リビングゾーンとキッチンゾーンは近くにあるべきだよね!
子ども部屋ゾーンはリビングからは目の届く位置ほしい!

 

というように各居室のゾーンを考えていきます

最も良い場所

①最も良い場所

まずこの敷地にとって、どこが1番魅力的で「最も良い場所」なのかを考えます。最も良い場所にはメイン居室であるリビングゾーンや施主要望が強く計画のコンセプトとなる居室を配置します。

リノベーションの事例となりますが1Livingの家の最も良い場所は光の多くが集まる南側のゾーンでした。このゾーンは室内だけでなく、庭も含めた内外ともに気持ちが良い場所です。広い庭と道路には高低差があることによって、外からは室内が見えにくく、室内からは外へ開放した空間とすることが可能なゾーンでした。

 

次に良い場所は北側の窓のあるゾーンです。北側は一般的に敬遠されがちな場所ですが、終日安定してほんのりと明るい反射光が入ってくる良い場所です。特に角部屋ではない集合住宅の中間室にとっては窓があることが非常に貴重で、光と風の取入れ口として最適です。

庭を含めると南北に長いことは良い特徴ですが、部屋の中央付近はどうしても暗くなりがちです。また、東西には隣家との界壁となる壁が全面にあるので互いのために音への配慮が必要なゾーンと言えます。

収納ゾーン

②東西の壁面全面と利用した収納ゾーン

デメリットのように感じられる中間室の壁面ですが収納家具を大量に並べるのにもってこいの場所とも言えます。

ところどころに収納を置いて空間を分断するのではなく、収納をまとめることで部屋中央に大面積の床面を集めることができます。

また、収納内には空気・服・本など吸音してくれるものがぎっしり詰まります。そのため、自分が出す音・相手が出す音の両方を吸収し、気になる隣家間の音の問題も解消することができ、まさに一石二鳥です。

リビングゾーン

③リビングゾーン

①にて前述した南側の最も良い場所にはリビングゾーンを配置します。

リビングゾーンはダイニングキッチンゾーン・テラスゾーンを含めた内外に連なる一体的なゾーンとすることで庭のあるこの立地を最大限活かすことができると考えました。

子どもがまだ生まれたばかりで、子どもと過ごす時間を大切にしたいという要望があったため、日々生活の中心となるリビングゾーンの近くに寝室ゾーンを配置し、昼寝の際も近くで見守ることができます。

和空間ゾーン

④和空間ゾーン

2番目に良い場所の北側の窓のあるゾーンには和空間ゾーンを配置します。終日安定してほんのりと明るい反射光が入ってくるため和空間のしっとりとした雰囲気と相性が良い場所です。

この和空間ゾーンには和室とともに浴室を配置することで自宅ながらも和旅館の部屋風呂に来たような非日常を味わえる空間とすることが可能です。浴室としては大きな窓があり、換気がしやすく湿気が溜まりにくいことからも合理的な配置と言えます。

玄関・水廻りゾーン

⑤玄関・水廻りゾーン

集合住宅のリノベーションでは共有部はほとんど動かすことができないので、玄関ゾーンは以前のままの配置となります。

最後に水廻りゾーンを配置します。水廻りも玄関同様に動かすことがほとんどできないため、既存配管がある場所にコンパクトにまとめていきます。

本計画では浴室を大胆に移動したため、トイレ、洗面所、洗濯機置き場に少しゆとりを持たせることができました。子どもが小さいうちは日々の洗濯物も多く、オムツ替えやトイレトレーニングをすることからも広めの水廻りとすることが適していると考えられます。

まとめ

⑥まとめ

以上が1Livingの家の環境を1番活かすことのできるゾーニングです。
ゾーニングのポイントをまとめると

 

・庭を含めた南北に長い特性を活かす
・部屋のどこからも庭が見通せ、光と風が通る
・1番気持ちの良いゾーンにリビングを配置
・収納ゾーンを壁側にまとめ、床面積を中央にすべて集める
・浴室は大胆に移動し、和室を含めた非日常空間へ
・水廻りは子どもの世話はしやすいように広めに確保

 

このようにゾーニングを設計の足掛かりとすることで迷っても大崩れせず、終始一貫した設計を可能にするためとても大切な作業として取り入れています。また、敷地特性を活かせているか、施主要望を叶えてられるかを図式化することによって客観視できるのもメリットと言えます。

 

事前相談は無料で承っておりますので、購入を悩んでいる敷地がございましたら気軽にお問い合わせください。

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