設計の仕事
design works
街に開く職住一体の家
1-注文住宅
道路の終点に建つ家
渋谷区の住宅街に建つ木造2階建ての戸建て住宅です。
この街で事業を営むご夫婦には来客が多く、自宅には公的な機能も求められました。 裏路地の終点に位置するこの敷地は人通りが少なく街に開くことのできる環境だったため、 前面道路までを内部空間の一部と考えて設計をスタートしました。 人が自然と集まるようなオープンで職住が一体となる空間を考えました。
町屋のような奥行きの長い住まい
間口に対し奥行きの長い敷地形状が特徴であったため、町屋のように道路側は人を出迎えるパブリックゾーンを配置し、奥に進むにつれてプライバシー性の高い居室を連ねていくという構成を採用しました。そのため外観は住宅よりも商店に近い開放性の高い構えとなりました。町屋の「ミセ」のように通りに面した1階玄関土間では簡易の商談や立ち話ができる広さを確保しています。玄関窓には暖簾のようにレースカーテンを掛けることで柔らかい表情を街に与えます。
東京らしい建ち方
土地単価が非常に高価な都心の住居では敷地面積に近い建物面積となり、必然的に境界線に近接して建つことになります。そのため北側斜線や道路斜線などの法制限によって建物形状が決まり、隣家が近いため採光と通風を得るために工夫が必要です。
本計画では2階建てながらも3階建てに匹敵する建物高さとすることで、南側隣家の影響を受けずに採光と通風を得る計画としました。2階吹抜には光と風を存分に取り入れられる位置に窓を設け、ルーバーによって直射光を拡散することで心地よい光を居住空間に届ける計画としました。
道路側の大開口からは桜の木や青空を眺めることができ、都心ながらも自然移ろいを感じられるリビング空間となりました。
パティシエの奥様が自宅でも洋菓子の試作ができるように業務用オーブンなどを設けたオーダーキッチンを設計しました。その傍らではご主人がデスクワークをするスペースを設け、まさに職住が一体となった空間となりました。
「壁で極力仕切らず、フレキシブルに開放感を作れるような空間」をご希望されていたため、個室は設けず1、2階のすべての居室がシームレスにつながっていく構成としました。1階ではレースカーテンを3枚重ねていくことで空間同士を緩やかに仕切っています。
町屋の1番奥に「ニワ」があるように、敷地南側の一部が凸状になっている場所を活かして庭を配置しました。道路側から最も離れたプライバシー性の高い場所のため屋外と連なる開放的なバスルームを計画しました。将来的には屋外サウナを設置して楽しまれるようです。
その他の作品
nagomがこれまで設計した新築住宅やリノベーションした住まいをご紹介します。
借景の中に暮らす家(横浜/新築)
1 Livingの家(横浜/改修)
overview
渋谷区の住宅街に建つ木造2階建ての戸建て住宅です。
この街で事業を営むご夫婦には来客が多く、自宅には公的な機能も求められました。 道路の終点に位置するこの敷地は人通りが少なく街に開くことのできる環境だったため、 前面道路までを内部空間の一部と考えて設計をスタートしました。 人が自然と集まるようなオープンで職住が一体となる計画です。
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撮影:山内紀人
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TECTURE MAG
前面道路も一体となり人を迎える町家風の住宅
住宅設計.jp