設計の仕事

design works

借景の中に暮らす家

1-注文住宅

借景の中に暮らす家_リビング

横浜市の高台に建つ木造2階建ての戸建て住宅です。12区画からなる新規分譲地だったため周囲の建物がどのように建ち並ぶかを想定しながら設計をスタートしました。特に借景側に建つ崖下の建物高さに注意を払い2階にLDKを配置しました。遠景の空だけを切り取るのではなく、窓枠によって切り取られた借景の中に生活の一部を溶け込ませられないかと考えました。

借景の中に暮らす家_リビング
借景の中に暮らす家_テラス
借景の中に暮らす家_ダイニング

室内空間から窓越しに眺望を眺めるだけでなく、屋外空間で光や風を肌で感じながら過ごす時間がこの敷地ならではの贅沢な過ごし方ではないかと考えました。そこで窓枠によって切り取った借景の中に暮らしの一部を溶け込ませるための屋外リビングを計画しました。そこではサッシ越しでは感じられない気温・音を体験することができ、ダイニングキッチンと並列させることで2つ目のLDKとして利用することができます。現代の高気密高断熱の住宅では良くも悪くも屋内外が分断されますが、このような空間を持つことが住宅の価値を高めるのではないかと考えています。

借景の中に暮らす家_平面図
借景の中に暮らす家_ダイニングキッチン
借景の中に暮らす家_テラス

北側には既存住宅が道路を挟んで崖上に建っていて、大きな窓から見下ろされる関係にあったため北側の外観には窓を極力設けず壁面にて構成することとしました。面で構成した北側からアプローチすることで、2階へ踏み込んだ際、一気に明転し眼前に飛び込んでくる南側の借景をより開放的に感じる演出にもなったと考えています。北側に配置した階段を上るとトップライトからの柔らかい光が出迎えてくれます。

借景の中に暮らす家_外観
借景の中に暮らす家_建具
借景の中に暮らす家_断面図

玄関土間と和室をまとめることで双方にとって広がりを与えることができます。庭からの自然光や木漏れ日が客人を出迎えてくれます。障子を締めれば客間として使用することが可能です。

借景の中に暮らす家_和室
借景の中に暮らす家_和室

各所には滞在時間、方位、用途に合わせて適切な大きさの開口部を配置し、室内のどこにいても光と風が感じられるよう心掛けています。光が当たることで素材感を際立たせ、壁面や床面に表情が生まれます。

借景の中に暮らす家_浴室
借景の中に暮らす家_階段

overview

横浜市の高台に建つ木造2階建ての戸建て住宅です。
眺望の良い立地をいかに住宅内で楽しむかを考えて設計をスタートしました。 遠景の空だけを切り取るのではなく、敷地内の庭に近景を作ることで借景に奥行きを与えることを意識しました。 窓枠によって切り取られた借景の中にテラスを作ることで暮らしの一部を借景の中に溶け込ませる計画です。

information

施工:サンキホーム

用途:住宅

構造:木造 2階建て

所在地:神奈川県横浜市

敷地面積:130.50㎡

建築面積:62.11㎡

延床面積:102.57㎡

 

詳しい仕様は【TECTURE】をご覧ください。

credit

撮影:山内紀人