設計の仕事
design works
地上75mの家
リノベーション

最上階だからこそできる開放的な空間
仙台市のタワーマンション最上階のリノベーションです。
構造的に安定したセンターコア型が採用されることが多いタワーマンションでは、コアの近くに効率よく水廻りが配置され、眺望の良い窓際に居室が並べられていきます。(左下図参照)
しかし、この間取りは低層階でも最上階でも変わらず、部屋の価値は階数と広さに比例します。本計画では周囲に建物がほとんどない環境を活かすべく、水廻りの配置・外部空間の活かし方を再構築することで最上階である価値を更に高めることを目指しました。

駅前のため多くの建物が建ち並んでいる地域ではありましたが、本計画のマンションより高層な建物は周辺に5棟しかなく、部屋のある東南側に限定すると考慮すべき建物は2棟しかありませんでした。(右上図参照)
タワーマンションの各住戸プランに目を向けると垂直方向へ効率よく積層するために下層階でも上層階でも同様の画一的なプランになりやすいといえます。
そのため本計画では改めて周辺環境との関係性を見直し、最上階だからこそできるプランにしたいと考えました。
また、上層階へ行くほど地上と離れていくため、緑や地面を感じられる機会が減少してしまいますが、厚さわずか10cm程度の緑化マットを採用することでバルコニーを緑化し、地上では味わえない開放感の中で風や木漏れ日を感じられる空間を提案しました。



タワーマンションでは建物の中央付近に効率よく水廻りがまとめられ、壁で囲われている場合が多いですが、最上階では周辺から見られる心配がほとんどないため、違う間取りがあっても良いのではないかと考えました。本計画では改修前よりもキッチンと浴室を窓際に寄せて配置することで主要空間であるリビングや寝室と一体空間となり、より快適性を高められるよう計画しました。
多拠点生活をされている施主だったため、自宅に帰ってきたというよりはホテルの一室に宿泊するかのようなホテルライクが空間を実現しました。




全体は白とベージュのシンプルで優しい色合いにて構成していますが、各室にポイントでガラスやアイアンを用いて空間を引き締めています。家具の扉には凹凸あるリブ材を採用することで燦燦と入り込む光を受けて表情が生まれます。華美ではない高級感を演出しています。




カラーパース(有償オプション)






リノベーション前


overview
仙台市のタワーマンション最上階のリノベーション計画です。
構造的に安定したセンターコア型が採用されることが多いタワーマンションでは、コアの近くに効率よく水廻りが配置され、窓際に居室が並べられていきます。この間取りは低層階でも最上階でも変わらず、部屋の価値は階数と広さに比例します。本計画では周囲に建物がほとんどない環境を活かすべく、水廻りの配置・外部空間の活かし方を再構築することで最上階である価値を更に高めることを目指しています。
information
施工:リディアル
用途:住宅
構造:RC造 23階建ての23階
所在地:宮城県仙台市
専有面積:111.09㎡
credit
撮影:茂木哲