設計の仕事

design works

地上75mの家

2-リノベーション

地上75mの家_リビングダイニング

最上階だからこそできる開放的な空間

仙台市のタワーマンション最上階のフルリノベーションです。

構造的に安定したセンターコア型が採用されることが多いタワーマンションでは、コアの近くに効率よく水廻りが配置され、眺望の良い窓際に居室が並べられていきます。(左下図参照)

しかし、この間取りは低層階でも最上階でも変わらず、部屋の価値は階数と広さに比例します。本計画では周囲に建物がほとんどない環境を活かすべく、水廻りの配置・外部空間の活かし方を再構築することで最上階である価値を更に高めることを目指しました。

地上75mの家_全体図

駅前のため多くの建物が建ち並んでいる地域ではありましたが、本計画地より高層かつ考慮すべき方位に建つ建物は2棟しかありませんでした。(右上図参照)

この環境を活かし、素晴らしい眺望をキッチンや浴室からも楽しむことの出来る開放的な居室を2つ作ることをご提案しました。

 

1つ目はメイン居室であるLDK。解体前はリビングとダイニングキッチンが分かれていましたが、海まで見渡すことのできる南側に向けてキッチンを配置し、どんなシーンでも最上階の利点を感じられる計画としました。夜には眼下に見下ろす夜景を眺めながらレストランのような雰囲気で食事を楽しむことができます。

地上75mの家_リビングダイニング
地上75mの家_リビング
地上75mの家_リビングダイニングキッチン
地上75mの家_リビングダイニング
地上75mの家_平面図

2つ目の居室はホテルライクなベッドルームです。

解体前の浴室は窓がなく壁で囲われていましたが、寝室と一体となるように計画することで窓の外を眺めながら入浴できるよう計画しました。オーダーユニットバスとすることで漏水のリスクを極力減らしながらも在来浴室のような高級感あるバスルームを実現しました。

多拠点生活をされている施主だったため、自宅に帰ってきたというよりはホテルの一室に宿泊するかのような空間を目指しました。

地上75mの家_ベッドルーム
地上75mの家_ベッドルームバスルーム
地上75mの家_ベッドルーム
地上75mの家_ベッドルーム

タワーマンション高層階は素晴らしい借景と開放性を得られる一方で、緑や地面を感じられる機会が減少してしまいます。そこで厚さわずか10cm程度の緑化マットを利用してバルコニーを緑化することで、地上では味わえない開放感の中で風や木漏れ日のゆらぎを生み空間に柔らかさを与えています。

地上75mの家_ベッドルーム
地上75mの家_バスルーム

タワーマンションは夜景が美しいことも魅力の1つです。窓の外に輝く街並みを損なわないようにするため、窓に照明が写り込まない計画としました。全体的な照度を抑えながらも、食べる・くつろぐ・料理をするなどその場にあった照度を細かく設定しています。

ライティングデザイナーとともに照明計画をすることでより上質な空間に仕上げることができました。

地上75mの家_リビングダイニング
地上75mの家_ベッドルーム
地上75mの家_ベッドルームバスルーム
地上75mの家_レストルーム
地上75mの家_ウォークインクローゼット

全体は白とベージュのシンプルで優しい色合いにて構成していますが、各室にポイントでガラスやアイアンを用いて空間を引き締めています。家具の扉には凹凸あるリブ材を採用することで燦燦と入り込む光を受けて表情が生まれます。華美ではない高級感を演出しています。

地上75mの家_ヘッドボード
地上75mの家_取っ手
地上75mの家_照明
地上75mの家_キッチン

リノベーション前

地上75mの家_改修前1
地上75mの家_改修前2

overview

仙台市のタワーマンション最上階のリノベーション計画です。
構造的に安定したセンターコア型が採用されることが多いタワーマンションでは、コアの近くに効率よく水廻りが配置され、窓際に居室が並べられていきます。この間取りは低層階でも最上階でも変わらず、部屋の価値は階数と広さに比例します。本計画では周囲に建物がほとんどない環境を活かすべく、水廻りの配置・外部空間の活かし方を再構築することで最上階である価値を更に高めることを目指しています。

information

施工:リディアル

用途:住宅

構造:RC造 23階建ての23階

所在地:宮城県仙台市

専有面積:111.09㎡

 

詳しい仕様は【TECTURE】をご覧ください。

credit

撮影:山内紀人

照明:AURORA 市川善幾