設計の仕事
design works
和みのある家
2-リノベーション

横浜市のヴィンテージマンションのリノベーション計画です。
nagomが大切にしてきた「家族が笑顔になる広がりのあるリビング」「使い勝手の良いキッチン」「居心地の良い居室のようなバスルーム」「たっぷり入る収納計画」のすべてを体現したフラッグシップハウスです。
ブランドカラーである優しい生成り色を基調に、木・土・石といった柔らかな表情を持つ素材を重ねることで空間全体に落ち着きと温もりをもたらしています。日々の暮らしの中でふと心がほどけるような和やかな住まいを目指しました。
光と時間がかたちをつくる家
角部屋という環境を活かしL型にLDKを配置することで朝日から夕陽まで光が住まいをゆっくりと巡る構成としました。
朝は低い光が床をなぞるように差込み、昼は均質な光が素材の質感を引き立てます。
夕暮れ時は空間が橙色に包まれ暖色系の照明へとシームレスにつながっていきます。
光は人の動きや視線とともに常に位置を変え同じ空間でありながら異なる表情をもたらします。その移ろいに呼応するように素朴で繊細な自然素材の表情がやわらかく空間を彩り、華美な装飾に頼ることなく暮らしを豊かにする背景として長く寄り添う住まいとしました。



リビング化する現代のダイニング
南側に広がる約35畳のメイン空間は平日の「ワークデイリビング」と休日の「ホリデイリビング」という2つの居場所から構成しています。
共働き世帯が増えた現代において家族が日常的に集う時間はリビングよりもダイニングへと移りつつあります。そこでダイニングの使い勝手を整理し食事の場にとどまらず、日々の暮らしの中心として家族の時間を過ごす場にすることを考えました。

作業に合わせた3つの天板
ワークデイリビングでは食事だけではなく在宅勤務や学習・工作など多機能に使われることを想定しテーブルとデスクを一体化した約3.5mの大きな天板を設けました。料理をしながらでも食事や学習の様子を見守れるようキッチンを隣接させています。
それぞれの作業に応じて、デスクはリノリウム、テーブルは無垢材、キッチンはセラミックと用途ごとに異なる素材を選定しながらも、色調を揃えることで統一感を持たせています。ひとつの連続した空間の中に異なる行為が重なり合うことで、家族の集まる日常の中心として「リビングのような場所」へと再定義しました。


日常とは少しちがう もう1つのリビング
リネンのレースカーテンでゆるやかに間仕切られたホリデイリビングは床座でくつろげるよう、優しい表情のウールカーペットを床材に採用しています。ダクトレールに常設したプロジェクターでホームシアターを楽しむこともでき休日ならではのリラックスした時間を楽しめる環境を整えました。
1つの連続した空間の中に異なる時間の過ごし方ができる2つのリビングを並べることで「仕事や学びに集中」と「ゆったりと過ごす」を行ったり来たりできる新しいリビングのあり方を提案しています。



日常のなかの非日常を演出する和バスルーム
バスルームは1人で心身を整える時間を過ごす居室として設計しました。浴槽と洗い場を分けた配置により湯気で息苦しくならずに長時間でもゆったりと過ごすことができます。また置き型サウナを設置しプライベートな空間でリフレッシュできる仕様としました。
唯一窓のない空間のため隣接する洗面室に障子を設け、やわらかな光が届くよう工夫しています。障子を開けるとキッチンとつながり小さなお子さまの入浴を見守ることもできるので安心です。バスルームは入浴をするだけでなく、他の居室にはない静かな時間を過ごす特別なくつろぎの場として考えています。




玄関と連なる和空間
玄関扉を開けた正面に和室を配置し、床や天井を連ねることで狭くなりがちなマンションの玄関を広がりのある「出迎えの間」として計画しました。凹凸感のある素材を用いることで北側の限られた光でも陰影が生まれ時間の移ろいを感じられる空間としています。
廊下は単なる通路ではなく下駄箱や洗面所を組み込むことで機能のある空間としています。廊下に洗面所を設けることで帰宅時や来客時の手洗いをスムーズに行うことができます。一方で日常的に良く見えてしまう配置でもあるため鏡引戸の裏に収納を設け生活感を抑えられるよう配慮しています。


フリーアドレスのような住まい
仕事や学習は決まった場所に限定せず内容や気分に応じて選べるよう居場所を散りばめました。天気の良い日は窓辺で電話や宿題をし、少し疲れたときは木の下のベンチでひと息つく。静かに集中したいときには書庫や個室にこもるなど、仕事内容や成長に合わせて多様な過ごし方できる間取りを考えました。
また気分よく仕事ができるようワークデイリビングの中央には厚さわずか15cmの軽量な緑化マットを使用して高さ2mのシンボルツリーを植えています。目に優しい葉が風でそよぎ影がゆらぐことで心地よく集中できる環境を整えました。



陰影と奥行きをつくる明かり
照明は均一に空間を照らすのではなく、あえて暗がりを残しながら必要な場所にやわらかな明かりを灯す計画としました。照度を抑えた光は空間に陰影と奥行きを生み出し、目への刺激を和らげるため入眠前の時間をゆったりと過ごすためには最適です。
現代の生活環境ではデジタルデバイスによる強い光にさらされる時間が長く、夜の住まいには刺激を抑えた光環境が求められています。暖色の明かりが生成り色の仕上げ材と相まって夜の住まいにやわらかな表情と居心地の良さをもたらします。






リノベーション前




その他の作品
nagomがこれまで設計した新築住宅やリノベーションした住まいをご紹介します。
1 Livingの家(横浜/改修)
ジャパンディスタイルの家(東京/改修)


overview
横浜市のヴィンテージマンションのリノベーション計画です。
約35畳ある広がりのあるリビングは平日使用する椅子座の空間と休日利用する床座の空間の2つで構成しています。共働き子育て世帯の平日は家族が団らんする時間が短いためリビングにようにゆったりと過ごせるダイニングを計画しています。在宅勤務時にはデスクとしても使用できる長さ3.5mのダイニングテーブルを配置し、宿題をしている子供を見守りながら料理のできるキッチンを隣接させています。限られた時間でもリラックスできる居室のようなバスルームやたっぷり入る収納部屋も計画しています。柔らかい表情を作ることのできる自然素材で設えた各部屋で家族が和める空間を目指しています。
information
credit
撮影:山内紀人
動画:Archi Film
緑化マット:ボスケ
サウナ:ジャパンサウナ